──左にスワイプするたび、胸の奥では“運命”を求めてる。
最近、友達にこう聞かれた。
「マッチングアプリ、使ってる?」
答えはもちろん、Yes。
だって2020年代の恋愛って、もはやスマホから始まるのが標準装備だもの。
でもね。
いざ「いいね」がついて、やり取りをして、
お店を予約して、会ってみても、
なぜか心の奥で、
“何かが足りない”と感じてしまう瞬間がある。
そう、それは——
「偶然」の要素。
映画やドラマで描かれるような、
図書館で同じ本を手に取ったとか、
カフェで向かい合ったら目が合って電流が走ったとか、
落としたハンカチを拾ってくれた人が実は運命の人だった——
そういう「物語みたいな出会い」に、
私たちはどこかで憧れている。
マッチングアプリの出会いは、便利だ。
検索できて、条件も明確で、
無駄がなくて効率的。
だけど、それはまるで「予習済みの恋」のようで、
“ハプニング”や“ときめきのズレ”がない分、
運命らしさに欠けてしまう。
本当は「マッチングしました」よりも、
「まさかこんなところで!」にときめきたい。
スマホ画面より、偶然の風に吹かれたい。
でも、ここで一つ気づく。
もしかして、
「偶然の出会い」を美化しすぎていない?
リアルの出会いも、案外ぎこちなくて、
最初は「なんか微妙だったんだよね」から始まることもある。
マッチングアプリも、出会いの“きっかけ”の一つ。
運命は、そこから**「育てていく」もの**なのかもしれない。
だから今日も私は、スワイプしながら、
ほんの少しだけ“ドラマみたいな展開”を期待してる。
でも同時に、現実でちゃんと笑い合える誰かを、
見逃さないように目をこらしている。