プロローグ
久しぶりにオンラインでの出会いを再開した莉奈は、少し躊躇していた。30代半ばになり、周りは結婚して家庭を持つ友人が増え、孤独を感じることもあった。しかし、リアルな出会いに自信が持てない自分が嫌で、思い切って婚活マッチングアプリに登録した。
莉奈は自分のプロフィールを丁寧に作成した。誠実で真面目な男性と出会いたいと思っていたが、心のどこかで「どうせすぐに会話が続かなくなるだろう」と思い込んでいた。しかし、そんな彼女の考えを裏切るように、しばらくするとメッセージが届いた。
「こんにちは、はじめまして。高瀬と申します。あなたのプロフィールを拝見して、共通の趣味がいくつかあったのでメッセージしました。」
そのメッセージを送ってきたのは、高瀬という名前の男性だった。莉奈がプロフィールに書いていた「古代文明の考古学」と「フィギュアスケート」の趣味に共感してくれたのだ。
最初のやり取りは思いのほかスムーズに進んだ。古代文明の話、フィギュアスケートの話、そして最近観た映画の話…お互いの趣味や価値観が合っていることに、莉奈は次第に心地よさを感じていた。
「こんなに話が弾む人、久しぶりだな…」
莉奈は心の中で呟き、高瀬とのやり取りが楽しみになっていった。
最初のデート
数週間後、二人はついに実際に会うことになった。莉奈は少し緊張していたが、高瀬の穏やかなメッセージのやり取りに安心していた。
待ち合わせ場所のカフェで、最初に目が合った瞬間、少しだけど違和感があった。写真と実物は少し違う。でも、それでも高瀬の穏やかな笑顔に心が落ち着くのを感じた。
「初めまして、莉奈さん。」
「初めまして、高瀬さん。」
手を差し出し、ぎこちないけれどしっかりと握手を交わした。
二人はゆっくりと会話を楽しみながら、軽く食事をした。会話の中で、莉奈は自分がまだ恋愛に対して不安を感じていることを正直に話した。高瀬もまた、同じように過去の恋愛で傷ついたことを話してくれた。
「でも、だからこそ、今はお互いにちゃんと向き合っていきたいと思ってる。」
高瀬のその言葉に、莉奈は心が温かくなるのを感じた。
デートが終わり、別れ際に高瀬は言った。
「また会いたいな。次は、もっと色々な話をしたい。」
莉奈はその言葉を胸に、次のデートに期待を膨らませながら帰路に着いた。
