友達に紹介された恋人って、最初は“いい人”に見えるものだ。
だって、友達が勧める相手なら、絶対に悪い人じゃないはず。
どうしても信じたい、心からそう思いたい。
でも、何だか気になることがある。
「なんか、裏がありそうな気がする」
その小さな違和感。
無意識のうちに、彼が“本当はどういう人か”を探ってしまう自分がいる。
私の友達が選んだ人だから、大丈夫だろうとは思う。
でも、やっぱり気になる。
彼、いつも笑ってるけど、あの笑顔って…ちょっと無理してない?
何か隠しているような気がしてならない。
友達に紹介された恋人に感じる最初の違和感。
それは、ただの「フィーリングの問題」だけではなく、
私たちが恋愛において抱える複雑な感情とも関係している。
彼の良さや素晴らしさは、言われると納得できるけど、
なぜか心のどこかで、何かを避けているような気がしてならない。
その「何か」を無意識に探してしまう自分がいる。
例えば、どうしても気になる言動。
友達が「彼、すごくやさしい人よ」と言っても、
彼が誰かに対してちょっと冷たく接した瞬間、心の中で「ん?」と疑念が浮かぶ。
他人から見れば普通かもしれないけれど、
私にとってはそのちょっとした素振りが、妙に気になる。
なんだろう、このモヤモヤ。
一度、そう感じてしまうと、
どんどんその「裏側」に引き寄せられていく自分がいる。
「友達に紹介されたから、彼に問題はないはず」
「友達が認めてるなら、間違いない」と理性ではわかっている。
でも、恋愛って理性だけじゃない。
感情が交錯して、無意識のうちに、自分の中に渦巻く疑念が広がっていく。
問題なのは、この不安や疑念が、
自分の心の中にどんどん深く根を張っていくこと。
友達が彼を紹介してくれた時の、あの安心感はどこへ?
どうしてこんなにも気になるんだろう?
何も大きな問題がないはずなのに。
私の心が引き寄せられる“裏側”に気づいてしまったからか。
友達に紹介された相手は、
お互いに「関係を築こう」という意図があるからこそ、
どうしても「本当の自分」を見せようとしがちだ。
「どこで育ったのか」「どんな家庭環境だったのか」
ちょっとした言葉の端々に、彼がどれだけ“隠している部分”があるかを
知りたくなるのが人間の心理。
でも、友達に紹介された彼を本当に知りたいと思った時、
彼の「裏側」が怖くなってくることもある。
でも、ちょっと待って。
その「裏側」に私が気を取られているのは、
自分自身が恋愛において“正直”になりきれていないからかもしれない。
完璧な彼が登場しない限り、自分が安心できない。
でも、恋愛ってそうじゃないんだよね。
彼の不完璧さ、あるいは自分が見えない部分に、
私たち自身も恐れている部分が反映されているのかもしれない。
友達に紹介された恋人。
最初はその相手が「ちょっと違うかも?」と思うこともあるけれど、
心を開いてみると、意外と素敵な一面が見えてくることもある。
その裏側に恐れを感じる前に、
もっと相手と向き合ってみることが大切なのかもしれない。
完璧を求めすぎる私たちは、時には人の“完璧じゃない部分”こそが、
本当の魅力であることに気づかないままでいる。
気になる「裏側」。
それを恐れることなく、見てみる。
そして、そこで気づいた自分と向き合わせる。
もしかしたら、その先にこそ、本当に価値のある関係が待っているのかもしれない。
完璧じゃないからこそ、一緒に成長できる。
そんな恋愛に、私は今、少しだけ期待している。
