理想の暮らしはどこへ?
結衣は付き合って2年の彼氏、翔太と念願の同棲を始めた。新しい生活は夢のようで、二人の未来を想像しながら毎日を過ごしていた。しかし、数か月が過ぎると、彼女の心には小さな違和感が積もっていった。
「なんで私だけ…?」家事のほとんどを結衣が担っている現実に気づいたのだ。
朝、起きてから洗濯、掃除、料理、片付け。翔太も忙しい仕事の帰りが遅いのはわかっていたけれど、休みの日だって何もしない。結衣は疲れと不満が積もっていくのを感じていた。
不満の溜まる日々
ある日、疲れ切った結衣はついに声を荒げた。
「お願いだから、もっと協力してよ! 私ばっかりやってるみたいで…」
翔太は驚いたように目を見開いた。「俺、そんなに何もしないかな?」
その一言に結衣はモヤモヤを抱えつつ、彼の無自覚さに呆れる気持ちもあった。
「私が家のこと全部やってるんだよ?仕事から帰ってきて、休みたい気持ちはわかる。でも、ここは二人の家なんだから…」
翔太は言葉を濁し、結衣の不満は解決しなかった。
友人の勧めで電話占いへ
どうしてもこの気持ちを整理したくて、結衣は電話占いに相談することにした。電話の向こうの占い師は優しい声で話を聞き、こう言った。
「あなたは責任感が強く、周りに気を配りすぎているのかもしれません。ですが、相手にも自分の思いを伝えることは大切です。お互いのバランスを取り戻すために、コミュニケーションの方法を見直してみましょう」
占い師の言葉に結衣は少し気持ちが軽くなった。
本音を伝える勇気
その夜、結衣は改めて翔太に話しかけた。
「私、家事が一人に偏ってるって感じてる。もっと協力してほしい」
翔太は真剣に話を聞き、こう返した。
「ごめん、気づかなくて。俺も家事は苦手だけど、これから一緒にやっていきたい」
そこから二人は家事分担のルールを決め、週末に一緒に料理をしたり掃除をしたりする時間も作るようになった。
二人で育む新しい暮らし
家事の負担が分かれると、結衣の不満は消え、二人の関係はより良くなっていった。翔太も少しずつ家事に慣れ、家での時間が楽しくなってきた。
結衣は占い師からもらった言葉を思い返す。
「相手に気持ちを伝えられる勇気こそ、二人の絆を強くする鍵だ」
同棲は理想と現実の間で揺れ動くけれど、お互いの気持ちに寄り添い、歩み寄ることで、素敵な暮らしを作れるのだと実感している。
