──誰かに縛られない時間が、私を一番私らしくしてくれる。
かつて、自由とは「誰にも縛られないこと」だと思っていた。
でも、30代を過ぎた今ならわかる。
本当の自由は、孤独という名の影を連れてくることがある。
友達と夜遅くまで飲み明かした帰り道、
カップルたちが肩を寄せ合って歩く横を、ひとりで歩く。
「私も誰かと、ああやって寄り添える日が来るのかな」なんて考える。
その瞬間、自由でいるはずの自分が、少しだけ心細くなる。
でも、自由と孤独はいつもセットメニューだ。
どちらかだけを選ぶことはできない。
それはまるで、リトルブラックドレスと赤リップの関係みたいなもの。
片方だけじゃ完成しない、絶妙なバランス。
孤独は、静かに私を成長させてくれる。
自分と向き合う時間をくれ、
誰にも気を使わずに泣いたり笑ったりする空間をくれる。
そして、その時間こそが、
他人に何かを求めすぎない“しなやかさ”をくれるのだ。
一方、自由は私に選択肢を与えてくれる。
朝までNetflixを見てもいいし、
突然旅行に出てもいい。
好きな服を着て、好きなだけ仕事に没頭する。
「誰かのため」ではなく、「自分の機嫌」を取る日々。
それって最高に贅沢な暮らし方だと思う。
ただし、自由にばかり酔っていると、
ふとした瞬間に“誰かに必要とされたい”と感じるのも、女の本音。
でも、それでいい。
どちらかに偏るのではなく、行ったり来たりしていいのだ。
自由な時間に孤独を抱きしめる強さと、
孤独な夜に誰かを思い出す優しさ。
その両方がある女性は、自然と凛として美しくなる。
私は今日も、自分のペースでコーヒーを淹れる。
誰かに淹れるわけでもなく、
自分のために、ちょうどよく、ちょっと濃いめに。
孤独と自由のバランスの中で、私は今日も私を育てている。