心の葛藤
その後も二人は何度かデートを重ね、距離を縮めていった。しかし、莉奈の心の中には一つの大きな不安があった。それは、高瀬が本当に自分を好きなのか、結婚に対してどう考えているのかが、はっきりしないことだった。
ある日、莉奈は思い切って高瀬に聞いてみることにした。
「高瀬さんは、結婚に対してどう考えているの?」
高瀬は少し驚いた顔をしたが、すぐに真剣な表情に変わった。
「実は、僕も最初は不安だったんだ。でも、君と話しているうちに、結婚って一緒に歩んでいくことだって気づいた。だから、僕は君と一緒にいる未来を考えているよ。」
その言葉に、莉奈は驚くと同時に、心が温かくなった。
二人の関係は着実に進展していた。けれども、莉奈はまだ心の中で不安を抱えていた。婚活アプリで出会った二人が、本当に結婚にたどり着けるのかという疑問が、頭から離れなかった。
最後の決断
ある日、高瀬と電話をしていたとき、莉奈は思い切ってその不安を打ち明けた。
「高瀬さん、正直なところ、私は婚活アプリで出会ったことが不安で、こんなにうまくいくとは思わなかった。あなたが言っていることが本当なら、私もあなたと一緒に未来を歩んでみたいけれど、結婚に対してもう少し自信を持って進んでいきたい。」
高瀬は少し沈黙した後、こう言った。
「わかるよ、その気持ち。でも、もし君が少しでも不安なら、無理に決断しなくてもいい。僕は君を待つし、君のペースで進んでいけたら嬉しい。」
その優しい言葉が、莉奈の心を強くした。結婚に対する不安は残るものの、二人で一緒に乗り越えていけると確信した。
「ありがとう、高瀬さん。私も、あなたと一緒にいる未来を考えてみる。」
その日から、莉奈は前向きに、高瀬との未来を考え始めた。
エピローグ
数ヶ月後、二人は再び同じカフェで会った。今回は、高瀬が少し緊張した様子で、手に小さな箱を持っていた。
「莉奈さん、ちょっとだけ、これを受け取ってくれますか?」
その言葉に、莉奈は驚き、少し戸惑いながらも箱を受け取った。中身は、シンプルなリングだった。
「このリングは、僕の気持ちを表しているわけじゃないけど、もし君が少しでもその気持ちを考えてくれるなら嬉しい。」
莉奈はその言葉に、心が静かに揺れ動いた。
彼女はリングを手に取ったまま、窓の外に広がる街の景色を見つめた。未来がどうなるのかはわからない。でも、今はただ、この瞬間を大切にしたいと思った。
