「これって、ただの遊びだよね？」
そう言い聞かせていたのは、自分自身に対してだった。
夜のカフェ。
閉店間際の席で、遥（はるか）は彼の横顔をじっと見つめていた。
彼――怜司（れいじ）は職場の上司。
クールで無口だけど、ふとした瞬間に見せる優しさに、気づけば惹かれていた。
最初は軽い冗談から始まったLINE。
次第にそれは「他の人には見せない顔」を共有するやりとりへと変わっていった。
だけど――
彼には、長年付き合っている彼女がいる。
社内でも“結婚間近”と噂されていた。
「なのに、なんで私に優しくするの…？」
夜遅くに来る「今、会いたい」のメッセージ。
誰にも言えない逢瀬。
心はどんどん、深い方へと沈んでいった。
ある日、怜司の誕生日。
彼の机に、誰かがこっそりと手作りの弁当を置いていた。
ラッピングには、可愛いリボンと「To My Love」の文字。
胸がぎゅっと締めつけられた。
（私は、何にもなれない）
彼の特別になりたいのに、
彼女という存在の“影”さえも踏ませてもらえない――
そんな自分に、嫌気がさした。
その夜、家に帰って泣いた。
「本気にならなければよかった」
「でも、私は本気で愛してしまった」
そんな気持ちをどうにかしたくて、
気づいたらスマホで「恋 諦められない 相談」と検索していた。
目に飛び込んできたのは、電話占いという文字。
正直、半信半疑だった。
でも、誰かに「ちゃんと気持ちを話すこと」が今は必要だった。
電話の向こうの声は、まるで包み込むように優しかった。
「その恋は、あなたの心にとって毒にも薬にもなる恋です」
「でも、あなたが“本当に欲しい愛”は、その人から得られないの」
「この恋は、あなたの未来を止めてしまう。そう、あなたの魂が言っているわ」
不思議と、涙が止まらなかった。
「どうして…わかるんですか…？」
「恋をして傷ついたことがある人はね、人の気持ちがよくわかるのよ」
その言葉が、遥の胸に深く染みこんだ。
あれから、数週間。
まだ、完全に気持ちは整理できていない。
けれど、あの夜を境に――
遥は「私が幸せになれる恋を選ぶ」決意をした。
「もう、“誰かの代わり”になるのはやめよう」
恋に名前がなくても、未来をくれる人を信じてみたい。
彼に言えなかった想い、誰かに話してみませんか？
「忘れたくても忘れられない」
「この気持ちは、罪ですか？」
そんな言葉を、あなたの代わりに受け止めてくれる鑑定士がいます。
▶ “本気になっちゃいけない恋”で傷ついたあなたへ。心が楽になるアドバイスを
秘密のまま終わらせないでください。
あなたの想いには、ちゃんと意味があるから。
