「大丈夫。平気。私って、そういうの慣れてるから」
そう言って笑った。
強がりじゃない。冗談でもない。
――少なくとも、彼にはそう思っていてほしかった。
ふたご座の私は、人と話すのが得意だ。
職場でも友達の間でも、“明るくて軽やか”な私をみんなが好いてくれる。
恋愛もそれなりに器用で、“追わせる恋”も、“さらっと終わる恋”も経験してきた。
そんな私が、本気になってしまった。
年下の彼。少し不器用で、感情表現が下手な彼に。
最初は私のほうが優位だった。
軽くじゃれ合って、さりげなく距離を詰めて、彼の心の中に入り込む。
得意だったはずの“駆け引き”が、だんだん効かなくなっていくのに気づいた。
彼は、なにも言わない。だけど、時々すごく優しい。
でも…それが“好意”なのか、“ただの優しさ”なのか、わからないままだった。
ある夜、ふたりで飲みに行った帰り道。
酔った彼がポツリとつぶやいた。
「…俺さ、恋愛向いてないんだよね」
「期待されるのもしんどいし、うまく言葉にできないし…」
私は咄嗟に笑ってごまかした。
「うん、わかるわかる。だから私もあんまり期待してないし、気楽でいたいタイプ」
ほんとは――言いたかった。
「私、あなたのことが好きだよ」って。
でも、それを言ってしまったら、何かが壊れてしまう気がした。
だから私は、
また“ふたご座らしく”、言葉を飲み込んでしまった。
その夜、帰宅してひとりになった私は、枕に顔をうずめて涙をこぼした。
どうして私は、
本気の恋になると、こんなにも臆病なんだろう。
誰かに聞いてほしい。
本当の私を知ってほしい。
でも、誰に?
そう思って、スマホを手に取った。
深夜でも話せる相手を探して、
たどり着いたのが《電話占いココナラ》だった。
「こんばんは。あなたの心がほどけるまで、ゆっくり話してくださいね」
優しい声だった。
はじめはうまく話せなかったけど、先生は私の気持ちを少しずつ引き出してくれた。
彼のこと。恋心を隠してしまう自分のこと。
本気になるほど、言葉が出てこなくなること――
すべてを話し終えたあと、先生はこう言った。
「あなたが言葉にできなかったのは、心が繊細だから。
でも、恋は“伝えて”初めて始まるものですよ」
その言葉に、涙が止まらなくなった。
翌朝、私は彼に一通のLINEを送った。
「昨日のこと、気にしないでね。…でもね、私、あなたが好きです」
返事はすぐには来なかった。
でも、初めて“自分の本音”をまっすぐ伝えられたことが、
私の心を少しだけ自由にしてくれた気がした。
きっと、これが、
ほんとうの恋の始まり。
💬 言葉にできなかった想いを、心の中で抱えていませんか?
ふたご座のあなたは、器用にふるまえる分、
「本音」を隠してしまうことが多いかもしれません。
だけど、“伝える勇気”が、恋を動かす大きなきっかけになることもあります。
心を預けられる相手に、
まずは自分の心を届けることから始めてみませんか?