「私、恋に縛られるなんて、性に合わないから」
そう言って笑っていた。
…彼に出会うまでは。
いて座の私は、自由でいることをなにより大切にしてきた。
束縛や干渉、ルールに縛られる恋は苦手だった。
誰かに依存するなんて、私らしくないと思っていた。
“好き”という気持ちにすら、少し距離を置いていたのかもしれない。
そんな私の心を、するりとすり抜けてきた彼。
気づいたときには、もう夢中だった。
連絡が来るだけで心が浮ついて、
彼のひと言で、夜眠れなくなる。
「こんなの、私じゃない」
そう思えば思うほど、恋は深くなっていった。
彼は飾らない人だった。
でもその分、駆け引きもなければ、言葉も少ない。
私はいつも、“わかってるふり”をして笑っていた。
でも心の中では、ずっと彼の気持ちを探していた。
ある夜、ふたりで飲んでいるとき、彼がふとこんなことを言った。
「お前ってさ、自由でいいよな。俺のことなんか、そんなに本気じゃないんだろ?」
その言葉に、心が凍りついた。
私は何も言えなかった。
“自由でいたい”と言い続けてきた私は、
本当の自分の気持ちさえ、伝えられなくなっていた。
その夜、家に帰ってからベッドに座り込んだ私は、スマホを開いて検索した。
「自由 恋愛 迷い」
「彼の気持ちがわからない」
「好きになりすぎて怖い」
そんなワードを打ち込みながらたどり着いたのが――《電話占いココナラ》。
電話口の先生は、私の声を聞くだけで、すべてを見透かしたように話し始めた。
「あなたは“自由”を大切にしてきた人。
でも本当に求めていたのは、心が自由になれるような“安心”だったんじゃないですか?」
その言葉に、涙がこぼれた。
私はただ、“安心できる恋”が欲しかっただけだった。
羽ばたける自由じゃなくて、帰れる場所としての愛が欲しかったのだ。
翌朝、私は彼にメッセージを送った。
「たぶん、私のこと、ちゃんと話してなかった。
本当は、すごく好きで、怖くなるくらい本気なの」
数分後、「そう思ってたよ」とだけ返ってきたメッセージに、
いつもの私なら、物足りなさを感じたかもしれない。
でも今は、それだけで十分だった。
だって、ようやく私は、自分の気持ちに正直になれたから。
自由でいたいと思っていた私は、
初めて誰かのもとに“帰りたい”と思った。
それは、恋が“縛り”ではなく、
“羽根休め”の場所になった瞬間だったのかもしれない。
💬 自由なはずのあなたが、恋に迷ったなら
いて座のあなたは、誰よりも風のように軽やかで、遠くを見ている人。
でもその分、心の中では深い絆と安心を求めていることもあります。
▶ 「この気持ち、私らしくないけど本物?」そんな時は心の整理に
本当の自由は、愛に守られてこそ見つかるのかもしれません。