あのときの私は、「もう無理」としか言えなかった。
喧嘩が増えて、すれ違いばかりで、
一緒にいるのがしんどくなって。
「私たち、もう終わりにしよう」
そう言った瞬間、彼は黙ってうなずいた。
「ありがとう、今まで」
そうして私たちは、3年の恋に幕を下ろした。
失って初めて、本当の意味で気づいたこと
最初の1週間は、解放感すらあった。
これでやっと自由になれるって思った。
でも、気づけば部屋の中は彼の痕跡だらけだった。
冷蔵庫の中の納豆も、洗面所の歯ブラシも、
「またね」って笑った最後の声も、まだそこにあった。
（別れて正解だったはずなのに）
そう繰り返すたびに、
「やっぱり好きだった」という気持ちが強くなっていった。
彼がいない毎日に、私は確実に弱っていた
どんなに忙しくしても、
夜になると考えてしまう。
LINEの履歴を見返して、写真を眺めて、
「今、何してるかな」って。
連絡を取ろうか、でも彼には新しい恋人がいるかもしれない――
そんなことを考えて、またスマホを置く。
私はずっと、
自分の“本当の気持ち”にだけ、背を向けていた。
「もう遅いかもしれないけど、それでも…」そう思えた夜
ある夜、職場からの帰り道。
彼と初めてデートしたカフェの前を通った。
閉店間際の照明が、妙にあたたかく見えた。
あの日、笑い合った時間がよみがえって、涙が溢れた。
（もう一度だけ、気持ちを伝えたい）
（たとえ遅くても、後悔だけはしたくない）
でも…自分から連絡する勇気が、まだ出なかった。
「もう一度向き合う勇気が欲しい」そう言った私に
久しぶりに、電話占いの先生に相談した。
以前、心が迷ったときに救われた声だった。
「別れてから気づいた想いなんて、勝手かもしれませんが…」
そう言う私に、先生は静かに微笑むような声で言った。
「それでも、あなたの気持ちは本物ですよ」
「本当の愛は、失って初めて気づくこともあります」
「彼も、心の奥では後悔してるはず」
カードを展開する音のあと、先生は続けた。
「彼はあなたを完全に手放してはいません」
「ただ、“戻っていいのか”を迷っている状態ですね」
「彼のなかにも、“やっぱり好き”という感情が残っています」
「でもそれを言い出すきっかけが、ないだけなんです」
そう聞いて、私ははじめて、深く息を吸えた気がした。
今度こそ、自分の本音に嘘をつかないと決めた
私は、自分の弱さやプライドで恋を終わらせてしまった。
でも今は、ちゃんと向き合える。
「ごめんね」も「ありがとう」も、
「まだ、好きなんだ」も――全部、自分の言葉で伝えたい。
翌朝、私はスマホを開いて、彼の名前を入力した。
「久しぶり。突然でごめん。話せる時間、少しだけもらえないかな」
震える手で送信ボタンを押した。
少しずつ、自分を取り戻すような感覚だった。
▼別れて気づいた「やっぱり好き」。その想い、遅くなんてない
過ぎた時間は戻らないけれど、
想いは、今からでも届けられます。
「もう一度、やり直したい」
「自分の気持ちを正直に伝えたい」
でもタイミングがわからない。そんなあなたへ。
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