──“初デート”は恋の始まりか、それとも不採用通知か。
「ねぇ、初デートって、面接と何が違うの?」
この問いに明確な答えを出せた人がいたら、今ごろ恋愛迷子なんていない。
服装選びは“清潔感重視”でいく? それとも“ちょっと攻める”?
会話の準備は天気・仕事・趣味のテンプレトピックで大丈夫?
ランチかディナーか、待ち合わせは何分前に行くべきか、そして――
支払いは割り勘か、おごりか。
…って、もうこれ、就活より緊張してない?
私たちは恋を始める前から、“正解”を探しすぎている。
初デートって本来は、楽しいはずなのに。
なぜこんなにも、“減点方式のジャッジ大会”になってしまうのかしら。
初対面で会話が盛り上がらなかったら、「相性が悪い」と思われそう。
無言の時間が訪れたら、「つまらない子」認定されそう。
少し緊張して挙動不審になったら、「ないな」って思われるかも。
だけど、ちょっと待って。
それって全部、“相手目線”じゃない?
あなた自身は、そのデートを“楽しめてる”?
服装も、会話も、割り勘も大事。
でも、それよりも“素の自分”を出せたかどうかのほうが、恋の未来を左右する。
完璧な受け答えよりも、「今日、ちょっと緊張してます」って素直に笑える勇気。
カフェの選択ミスより、「次は違うお店に行ってみたいな」と言える余裕。
支払いでモタモタしても、「次は私がごちそうします!」って言えるチャーミングさ。
そう、初デートで大事なのは“減点されない”ことより、“印象に残る何か”を持って帰ってもらうこと。
そして何より、自分自身が「この時間、楽しかった」と言えるかどうか。
だから私は、初デートにはちょっとだけ“自分の好き”を持ち込むことにしてる。
好きな本、好きなカフェ、好きな服。
それを話せば、自然と笑顔になるし、少し緊張もほぐれるから。
恋の始まりは、いつだって不安がつきもの。
でも、不安の奥にある“ワクワク”に気づけたら、もうそれはきっと、恋の一歩目。
初デートは“試験”じゃない。
ふたりでつくる“最初の思い出”なのだ。