──恋人未満の関係には、名前がない。でも、心は消耗していく。
「毎日LINEしてるし、週末もよく会ってる」
「体の関係もあるし、彼の部屋には私の歯ブラシもある」
なのに、私は彼の“彼女”ではない。
恋人のようで恋人じゃない。
都合がいい…と言い切るには優しいし、
遊び…と決めつけるには、ちゃんと私を見てくれている気もする。
でも、誰かに「その人って彼氏なの?」と聞かれたとき、
私は答えにつまってしまう。
この関係に名前がつけられたら、どれだけ楽なんだろう。
そう思った夜が、何度あっただろう。
一緒にいるときは楽しい。
でも、彼からの「好き」や「付き合おう」という言葉は、ずっとない。
未来の話になると、曖昧に笑って流される。
SNSには私の存在を匂わせるような投稿もないし、
誰かに“紹介”されたこともない。
それでも、心は彼にどんどん傾いていってしまう。
笑顔ひとつで安心して、既読スルーひとつで落ち込む。
“恋人未満”という関係は、どこにも寄りかかれない不安定さがある。
「言葉にしないのが彼のスタイル」
「タイミングを見てるだけ」
…そんなふうに、自分に言い聞かせてきたけれど、
ほんとはずっと、聞きたかったんだよね。
「私はあなたにとって、何?」
この問いを投げかけるのは、すごく怖い。
“都合のいい関係”だと認めてしまうかもしれないし、
その答えによって、この曖昧なぬくもりを失うかもしれない。
でもね、曖昧な関係にしがみつくことで、
もっと大切にされるはずのあなたの価値が、見えにくくなってしまうの。
恋って、愛されることで自信が育つもの。
いつまでも“グレー”にとどまり続けることで、
あなたの心が摩耗してしまっては、本末転倒。
本当にあなたのことを思っている人は、
ちゃんと言葉で「一緒にいたい」と伝えてくれるし、
“恋人”という関係を曖昧にしない。
勇気を出して、「私はどう思われてるのか」を聞いてみてもいい。
答えがどんなものであれ、それはあなたの次の一歩につながる。
そして、もし自分ひとりでは決められないなら、
誰かに相談してもいい。
恋のプロや占い師に、本当の彼の気持ちを“客観的に”見てもらうのも一つの手。
曖昧な関係に名前をつけるのは、
勇気がいることかもしれないけれど、
それ以上に、自分を大切にすることへの第一歩になるはず。