──ウェディングドレスより先に、着るべきは“本音”だった。
「早くいい人見つけなよ」
「結婚って人生の安定だよ」
「そろそろ“落ち着いても”いい頃じゃない?」
……まるで、結婚が人生の“チェックポイント”みたいに扱われることがある。
でもね、そもそも「落ち着く」って何?
“結婚=ゴール”という風潮に、私はずっともやもやしてきた。
確かに、誰かと寄り添い合って、支え合って生きていけるのは素敵なこと。
けれど、現代の恋愛はそんなにシンプルじゃない。
仕事、お金、時間、自由、親との関係、そして“自分の中の矛盾”。
付き合っていくのは、彼よりまず自分自身だったりする。
20代のころ、「理想の相手像」は細かく設定していた。
優しくて、背が高くて、経済力があって、価値観が合って、家族思いで……
って、どこのファンタジー?
30代になると、そのリストの文字が滲んでくる。
「理想の人を探すより、まず“理想の私”って何だっけ?」
という自問自答が始まるのだ。
結婚したい気持ちはある。
でもそれは“誰かに救ってほしい”からじゃなくて、
“自分で幸せをつくれる私”になった上で、
その幸せを誰かと分かち合いたい、そう思うようになった。
だから最近思う。
本当に必要な結婚は、“他人との契約”じゃなく“自分との和解”かもしれない。
「私は完璧じゃない。でもそれでいい」
「不安もある。でも今を生きてる」
「誰かに選ばれなくても、私は私を選んでる」
そうやって、
自分にOKを出せたときにこそ、
誰かと“並んで歩く”準備が整うのだと思う。
結婚って、人生を一緒に歩くためのチームをつくること。
だけど、まずは自分の“監督”になって、
「今日もよく頑張ったじゃん、私」と笑えるような毎日をつくるほうが、
よっぽど愛に近い気がしている。
今のあなたにとっての「理想の結婚」は、どんな形ですか?
“誰かと”よりも、“自分と”向き合うことから、始めてみるのも悪くない。
だって、人生のパートナーである“自分自身”と仲良くできなきゃ、
誰といても、きっと満たされないままだから。