──愛のある人生=常に恋愛中って、誰が決めたの?
最近いつ恋したっけ?
——その問いが、ふとした夜に自分を刺す。
駅のホーム、カフェの窓際、ベッドの中。
あらゆる場所で不意に、「私、今…恋してないじゃん」と気づく瞬間がある。
すると、妙な焦りが押し寄せてくる。
まるで、「恋してない女=何かが欠けてる女」みたいな感覚に陥るのだ。
でも、それって本当に正しいの?
そもそも、「恋してること」がそんなに偉いの?
そして、「恋してない今の私」は、そんなにダメなの?
その焦りの正体を突き止めていくと、どうやらそこには
“恋愛信仰”という厄介な呪いがあるようだ。
恋をしているときは美しい、輝いている、幸せそう。
だから恋してる=魅力的。
そんな方程式が、少女漫画や恋愛ドラマの中だけでなく、
無意識のうちに私たちの中に根付いている。
たとえ今の自分が仕事も趣味も充実していたとしても、
恋してない=“何か物足りない”と感じてしまうのは、
きっとこの呪いのせいだ。
でも、よく考えてみてほしい。
恋をしていない時間って、本当はとても自由だ。
他人の予定に振り回されず、
気分で予定を組み、誰にも気を遣わずに寝落ちできる。
そんな日々の中で、「自分を愛する」という恋愛を
私たちは密かにしているのかもしれない。
恋は人生を彩ってくれるけど、
それが「常に存在しなければならない主役」じゃなくてもいい。
人生にはいろんなフェーズがあって、
恋が“主役”のときもあれば、
仕事や友情、自分との向き合いが“主演”を張るときもある。
むしろ、“恋していない今”をどう楽しめるかが、
その人の本当の魅力になると思う。
次に誰かを好きになるその日まで、
私は「恋してない自分」と仲良く過ごそうと思う。
焦らず、比べず、自分のペースで。
なにせ、焦って選んだ恋ほど、ロクなことがないって、
私の靴箱と過去のLINE履歴が証明してるんだから。