──理想の“フルコース”は存在しない。でも、私だけの“定食”がある。
20代の頃の私は、人生における4大項目——
仕事・お金・友情・恋愛、すべてを“同時進行でキラキラさせる”のが正解だと思っていた。
朝から充実の仕事、夜は彼とのデート、休日は親友たちとカフェで笑い合い、
銀行残高もゆとりあり。
Instagramのストーリーに上げたくなるような“完璧な1日”を夢見ていた。
でも、30代になってわかった。
人生は、常に何かが欠けてる。
というより、全部うまくいく日は、都市伝説レベルでレアだ。
恋愛がうまくいけば、なぜか仕事に集中できず、
仕事が波に乗ってくると、恋愛は潮が引く。
ようやく恋人との関係が安定したと思ったら、
親友と些細なことでギクシャクしてみたり。
頑張って貯金していたら、急な出費に泣かされるし、
「よし、全部整った!」と思った数日後には、生理が来る。
つまり、人生って「全部うまくいく」ものじゃなくて、
**“どこか欠けてる中で、いかに自分を愛せるか”**が問われてる気がする。
そして、欠けているからこそ、誰かの優しさが染みるし、
誰かの成功を素直に祝える。
完璧な自分じゃないからこそ、人とちゃんと繋がれる。
思い通りにいかないことは多い。
でも、そんな“不完全な今”の中にも、
美しさや面白さ、成長の種が隠れている。
だから私は、欲張るのをやめた。
「今日、これだけうまくいったならOK!」って、
自分に拍手する日々を選んでいる。
たまには、
「恋愛:ゼロ、貯金:ピンチ、仕事:迷走中、友情:未読スルー」
なんて日もあるけど、
それでも私は笑ってワインを開ける。
だって、それが私のリアルで、
“全部じゃないけど、じゅうぶん”なのだから。