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第3話『シャルドネと、わたしたちのズレ』

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― “安定”の名のもとに、見えなくなっていたもの。


付き合って5年、同棲して3年。
結婚を考えていた相手と、ふたりで過ごすいつもの夜だった。

「今日、シャルドネ買ってきたよ」
彼がそう言って、私の好きなチーズとバゲットをテーブルに並べる。

私たちはこうして、週に一度は一緒にワインを飲む。
一見すると仲の良いカップル。
でも心の中には、ずっと澱のような違和感があった。


グラスに注がれたシャルドネは、
黄金色に近い濃いイエロー。
香り立つのは、バニラ、トースト、バター、熟した洋ナシ。
樽熟成されたものに特有の、まろやかでコクのある香り。

ひと口含むと、リッチでなめらかな果実味と、
ほんのりとした樽の苦みが、舌の上に広がった。

美味しい。でも、どこか重い。


シャルドネは、いつも“安心感”をくれるワインだった。
酸味も苦みも、すべてが丸く包まれていて、飲む人を裏切らない。
だけど今夜の私には、その“丸さ”が、
「何も変わらないこと」そのもののように感じられてしまった。

「結婚、来年にはしようか」
彼のその一言に、私はなぜか微笑むことができなかった。


愛していないわけじゃない。
でも、私が見たい未来は、彼と少しずつズレている。

彼が欲しいのは、家庭と安定。
私が求めていたのは、刺激と挑戦、
そして――本当に心が重なるパートナー。

今夜、はじめてそのズレを、言葉にしようと思った。


“変わらない関係”を見つめる一本

シャルドネ(樽熟・白ワイン)

  • 【産地例】フランス・ブルゴーニュ、カリフォルニア、オーストラリアなど
  • 【品種】シャルドネ100%
  • 【香り】バター、バニラ、トースト、洋ナシ、メロン、ヘーゼルナッツ
  • 【味わい】フルボディの白/まろやかでコクがあり、リッチ
  • 【相性】クリームソース系料理、グラタン、ローストチキン、カマンベールチーズ

安心感に包まれる反面、自分自身の“本音”に向き合いたくなるとき、
シャルドネは優しくも重い問いをくれるワインです。


変わらない関係に、少し疲れた夜に

ワインショップ LOIN(ロワン)では、
“味わいの深さ”をキーワードに、人生の分岐点に寄り添うワインを提案しています。

なめらかな一杯に、自分の未来を重ねてみてください。

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