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第4話『ヴィオニエの香りと、過ぎ去った夏』

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― その恋は、一瞬で、永遠になった。


南仏、リュベロンの小さな村。
日差しは白く、影は深く、空は青く澄んでいた。

彼と出会ったのは、偶然入ったワイナリーのテラス。
フランス語も英語もまともに話せない私に、
片言の日本語で話しかけてくれたのがはじまりだった。


「ヴィオニエ、好きですか?」
そう言って差し出されたグラスは、
まるで夏の午後のように、まぶしく甘かった。

香り立つのは、アプリコット、白桃、スミレ、そしてオレンジの花。
口に含むと、ふくよかでいて丸みのある果実味が舌を包みこむ。

そのやわらかさと華やかさに、私は一瞬で恋に落ちた。
――ワインにも、そして彼にも。


「わたし、明日、帰るの」
別れのとき、私は彼にそう告げた。

彼はうなずき、何も言わなかった。
ただ、もう一度ヴィオニエを注いでくれた。
それが“言葉”のかわりだったのだと、今ならわかる。

グラスの中に映るのは、真っ白な空と、消えそうな思い出。
ほんの数日だった。
でも、この夏のすべてだった。


帰国してから何度も思い出す。
あの香り、あの夕暮れ、あの沈黙。

恋は続かなかった。
でも、心のなかには確かに残った。
“過ぎ去った夏”は、時間とともに薄れていくけれど、
ヴィオニエの香りは、今でもふとした瞬間に蘇る。

一瞬で、永遠になった恋。
それを、私は“美しい過去”として大切にしている。


“一瞬の恋”に咲く香りのような一本

ヴィオニエ(華やか・白ワイン)

  • 【産地】フランス・ローヌ地方、ルーション、オーストラリアなど
  • 【品種】ヴィオニエ100%
  • 【香り】アプリコット、白桃、スミレ、オレンジの花、ハーブ
  • 【味わい】ふくよかでまろやか/苦味の少ない丸みのある口当たり
  • 【相性】エビと柑橘のマリネ、チキンソテー、エスニック料理、白カビチーズ

華やかで繊細。
だからこそ、ひと口が記憶に焼きつくワイン。

過去の恋をそっと思い出したくなるような、
香り豊かなヴィオニエは、あなたの心をそっとほどいてくれます。


忘れられない旅と恋の記憶に

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記憶とともに味わうヴィオニエ。
今夜、あなたもその香りに、過ぎ去った夏を重ねてみませんか。

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