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第3話『メルローと、静かにほどける夜』

恋愛コラム 恋愛

― “ときめき”じゃない、“安心”という恋。


「付き合ってください」と言われたとき、
ドキドキはなかった。
けれど、どこかで「この人となら」と思えた。

彼は、穏やかで、無理をしない。
すべてを急がず、急かさず、
私のペースに合わせてくれる人だった。


慌ただしい日々のなかで、
恋愛の“刺激”に疲れていた私には、
そんな彼の存在が、まるで静かな音楽のように心に染みた。

誕生日でも記念日でもない夜、
彼が選んでくれたのは、南フランスのメルロー。


グラスに注がれたワインは、深いルビー色。
ブラックベリーやプラム、やさしいバニラの香りがふんわり広がる。
口当たりはなめらかで、渋みは控えめ。
飲み込んだあとに残る、ほのかな甘さが心地よい。

まるで、彼そのもののような味だった。


「最近、前よりよく笑うようになったよね」
そう言って、彼が笑った。

そうだ。
この頃、ちゃんと眠れているし、
涙も、焦りも、少しずつ減ってきた。

私の心がほどけていく。
静かに、あたたかく。

恋はいつも激しく燃える必要なんてない。
静かに寄り添い、ふたりで深まっていく愛もある。


メルローは、そんな“成熟したやさしさ”を感じさせるワインだ。

最初は「地味」と思うかもしれない。
でも、一緒にいる時間が長くなるほどに、
その深さと温かさに、心を委ねたくなる。


“ときめきより、深い安心をくれる恋に”

メルロー(やわらか・赤ワイン)

  • 【産地】フランス・ボルドー、チリ、カリフォルニアなど
  • 【品種】メルロー100% または主体
  • 【香り】プラム、ブラックチェリー、バニラ、ハーブ、チョコレート
  • 【味わい】まろやかで中程度の渋み/親しみやすいやさしい口当たり
  • 【相性】鶏肉の赤ワイン煮、ローストポーク、ミートソースパスタ、ラザニア

メルローは「心が疲れているときに選ぶべき赤ワイン」。
恋にも人生にも、少し余白がほしい夜に、ぴったりの一杯です。


「今日は、なにもがんばらない」でいい夜に

ワインショップ LOIN(ロワン)では、
自分にやさしくなれる“安心の赤”も豊富に取り扱っています。

「なんとなく今夜は、メルローが飲みたい」
そんな心の声にも、ロワンなら応えてくれる。

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