恋はドキドキするもの――そう教えられてきたけれど、私たちの心は年齢とともに別のものを欲しがる。胸をかき乱すような興奮よりも、隣に座っているだけで安心できる存在。帰ってきても「大丈夫」と思える人。刺激よりも、静けさの中で呼吸がそろう相手のほうが、長い人生を考えたときに圧倒的に頼もしい。
もちろん、恋の初期は外見や小さな駆け引きに心を持っていかれる。でも月日を重ねるうちに気づくのだ。安心できる関係こそが、幸福度を決める最大の要因だと。連絡が少なくても不安にならないこと。沈黙が気まずさではなく居心地の良さに変わること。悩みを差し出しても否定されず、受け止めてもらえること。これらは派手さのない代わりに、静かに熟した愛の証なのだ。
そんな安心感を手に入れたいとき、出会い方そのものを見直す人もいる。マッチングアプリやSNSでの出会いが当たり前になった今、あえて結婚相談所を選ぶ人が増えているのは偶然ではない。相談所では、条件や写真だけでなく、生活リズムや価値観、会話の距離感まで事前に知ることができるから。つまり、花火のような刺激的な恋人を探す場所ではなく、キャンドルのように静かに灯り続ける伴侶を探す場なのだ。
心理学の研究でも、安心できるパートナーがいる人はストレスが少なく、自己肯定感が高まり、幸福度が安定することが示されている。安心感とは恋の副産物ではなく、人生の基盤そのもの。だからこそ、20代の頃に追いかけていた「一瞬の火花」を、30代40代では「持続するあかり」に置き換えていくのだろう。
結婚相談所は、そんな“安心をベースにした出会い”を可能にしてくれる場所。結局のところ、愛の本質とは「安心して自分らしくいられること」なのかもしれない。
