1. インスタの一枚が突き刺さる
ある日、いつものように無意識にインスタを開いた。
ふと、ストーリーズに映ったあの人の笑顔。隣には、見知らぬ女性。
「元気そうで、よかった」——
そう思いたかった。だけど、胸の奥がざわついて、呼吸が浅くなる。
彼とは、数ヶ月前に別れたばかり。
喧嘩別れでもなく、ただすれ違いが続いた結果だった。
「でも、まだどこかでやり直せるかもって、思ってたのに……」
その夜は、眠れなかった。
2. 彼の新しい幸せを、祝えなかった自分に気づく
周囲は「またいい人見つかるよ」と励ましてくれたけれど、
私の心は、まだ彼のままだった。
彼と行ったカフェ、彼がくれたLINEスタンプ、
何気ない日常のすべてに、彼がいた。
「新しい彼女ができた」という現実は、
そんな私の想いに、終止符を打つ宣告のように感じた。
だけど——
「本当に、これで終わりでいいのかな」
その問いが頭から離れず、スマホを握りしめた。
3. 口コミから選んだ占い師「千夜(ちや)先生」
何気なく開いた「ココナラ電話占い」。
恋愛相談の中でも、復縁に強いと噂の「千夜先生」のプロフィールが目に留まった。
「気になるあの人の“心の声”を読み解きます」
その一言に引き寄せられるように、予約ボタンを押した。
通話がつながると、先生の声は思っていたよりもやさしくて、少し泣きそうになった。
「元彼に彼女ができたと知って、心が動揺しています。でも……本当は、やり直したいんです」
震える声で伝えたとき、先生はゆっくりとうなずくように言った。

4. 本音と未来、視えたこと
「まず、彼の心を見てみましょうね——」
静かにカードを切る音。
そして、先生の声が少し低くなった。
「彼、新しい彼女とはまだ浅い関係ですね。気持ちが完全にそこにあるわけではなく、“何かを埋めたい”という感情が先にきているみたいです」
「そしてあなたへの想い……完全に消えてはいません。むしろ、“また連絡したい”という気持ちは、今も心の奥に残っていますよ」
私は思わず息をのんだ。
あんなに笑っていたのに?
もう別の人を愛してるんじゃなかったの?
「でもね」と先生は続けた。
「彼に気持ちがあるとしても、それが“未来にふさわしい選択か”は、また別の話です」
5. “もう一つの選択肢”を信じる勇気
「実は……あなたには、もう一つ大きなご縁が見えています。まだ出会っていないか、気づいていないだけかもしれません」
「その方は、あなたの“本当の望み”を叶えてくれる人。そして、あなた自身が自然体でいられる関係です」
私は一瞬、戸惑った。
だって、私の心はまだ、元彼のことでいっぱいだから。
だけど、先生の声が続いた。
「復縁は可能です。でも、未来においてどちらがあなたを“幸せにするか”は、選択次第ですよ」
それは、私にとって大きなヒントだった。
彼を想い続けることも、未来を選ぶことも、
全部、自分の意志に委ねられているんだと気づいた瞬間だった。
6. 泣いたあと、前を向けた夜
通話を終えて、私は静かに涙を流した。
後悔の涙じゃなかった。
ようやく“終わらせるかどうか”を、誰かに預けずに自分で決められる気がしたから。
「彼ともう一度話してみよう」
「それでもダメだったら……未来の誰かに、出会いにいこう」
その両方を選んでいいと許されたようで、心が少し軽くなった。
終わりに
誰かを強く想うことは、時に自分を縛ってしまう。
でも、想い続けた先にしか見えない“もう一つの選択肢”もある。
あなたの恋が終わったように見えても、
それはただ、新しい扉が開く前触れなのかもしれない。
本当に幸せな恋は、あなたが“自分を大切にすること”から始まる。
そしてその道しるべを、占い師はそっと照らしてくれる。
