「どうして、また既婚者なの?」
31歳の茜は、またしても自分の恋が“許されないもの”であることに気づき、ため息をついた。
「ちゃんと好きになった人が、なぜかいつも既婚者って…どうして?」
彼の優しさ、落ち着いた物腰、頼れる雰囲気——最初はただの職場の先輩だった。でも、何気ないLINEのやり取りが、気づけば一日に何度も。夜遅くの電話。心配してくれる言葉。
ある日、ふと「彼って結婚してるの?」と聞いたとき、彼は申し訳なさそうにうなずいた。
「奥さんとはもう冷めてるんだ。正直、もう終わってるようなものなんだよね。」
それでも彼は、家に帰っていく。家族のもとへ。
——茜の心は、また「孤独」と「罪悪感」に押し潰されそうになっていた。
占い師に尋ねた“理由”
「私って、どうしてこういう恋ばかりしてしまうんでしょうか?」
悩み抜いた末に、茜は“電話占い”の世界に踏み出した。
選んだのは、既婚者との恋に詳しい占い師・椿先生。
「まず、茜さんにお伝えしたいのは、あなたが“悪い人”だからそうなってしまうわけではないということ。
でも、そこには“深い心のクセ”があります。ちょっとカードを引かせてくださいね。」
椿先生が展開したのは、「過去の癒えていない傷」を示すカード。
「茜さんは、“いつか裏切られるかも”という不安を前提に恋をしていませんか?」
その言葉に、茜の心がぎくりと揺れた。
“安全な関係”を選んでいた心
椿先生の言葉は続いた。
「既婚者を好きになる人の多くは、“完全に手に入らない恋”を無意識に選んでいます。
なぜなら、最初から“壊れる恋”だとわかっていると、失ったときのショックが少ないから。
本気で愛されて、幸せになる未来を信じるのが、実は怖いんです。」
「あなたが愛される価値があること、信じる準備ができていない。
だからこそ、“愛されない関係”で安心してしまう。皮肉だけど、これが心の仕組みなんです。」
茜の目に、涙がにじんだ。
「愛されない自分」に慣れすぎていた
茜は思い出していた。
学生時代、好きになった人にはすでに彼女がいた。
社会人になってからも、「付き合ってるけど本命じゃない」と言われた関係ばかり。
「いつも“2番目の女”になってしまうのは、自分の魅力が足りないからだと思っていました。」
椿先生は、優しく語った。
「違いますよ、茜さん。“2番目でもいい”とどこかで自分に許してしまっていたから、そういう恋を引き寄せていたんです。
あなたには、本当は“ちゃんと愛される”価値がある。
でもそれを信じるのって、とっても勇気がいるんですよね。」
恋を手放すことで、手に入るもの
「じゃあ、今の彼と離れた方がいいのでしょうか…?」
椿先生の答えは、静かだった。
「“別れた方がいい”というより、“自分を大切にする覚悟が持てるなら”、その恋から卒業してもいいと思います。
この恋を終わらせることは、孤独ではなく、“自分との再会”なんです。」
その夜、茜は長いLINEを書いた末に、すべて消してから短く送った。
「今までありがとう。私はこれから、自分をちゃんと愛してくれる人と向き合いたいです。」
返事はこなかった。けれど、その沈黙に、初めて“本当の強さ”を感じていた。
占いは、心の深層を照らす場所
茜のように、なぜか既婚者ばかりを好きになってしまう人は少なくありません。
それは「運命」ではなく、「心の無意識の選択」であることが多いのです。
- どうしても惹かれてしまう相手が、いつも“誰かのもの”
- 本気の恋が怖くて、安心できる不完全な恋を選んでしまう
- 愛されたいけれど、自分を信じるのが怖い
そんなとき、占い師はあなたの心のクセをやさしく紐解き、「どんな未来を望んでいるのか」に気づかせてくれます。

まとめ:その恋は、本当にあなたを幸せにしている?
恋に“正解”はありません。
けれど、自分をどんどん傷つけていく恋なら、立ち止まる勇気も必要です。
- 愛されることを恐れていないか
- 自分の価値を疑っていないか
- 「誰かのものになっている人」を選ぶことで、本当の恋を避けていないか
その答えは、あなたの心の中にあります。
そして、占いはその答えを見つけるお手伝いをしてくれるツールのひとつです。
茜のように、「もう、自分を“2番目”にしない」と決めたとき——
本当に幸せな恋は、きっと、始まります。
