1. 「あの人、彼女できたらしいよ」
何気ない日曜日の午後、カフェで友人と過ごしていたときだった。
「ねえ、〇〇くん、彼女できたらしいよ」
その一言が、私の心を深く、静かに貫いた。
ずっと想っていた人。
隣にいないのが当たり前だったけど、たまに目が合うだけで嬉しかった。
LINEを返してくれるだけで、今日は良い日だったと思えた。
そんな存在だったのに——。
心の奥で「きっと叶わない」とどこかで分かっていた。
でも、現実を突きつけられると、体の奥が冷たくなるような痛みに変わった。
2. 「私の片想いって、何だったの?」
その夜は、涙も出なかった。
ただただぼんやりと、スマホの画面を眺めていた。
あのとき、もう少し勇気を出していれば——
もっと話しかけていたら——
あのLINE、送っていれば——
タラレバばかりが頭を埋め尽くしていった。
「私、間違ってたのかな」
そう自分を責めているうちに、ふと目に留まったのが「ココナラ電話占い」の広告だった。
“片想いの相手の気持ち、未来の恋の行方がわかる”
まるで、私のための言葉のように思えた。
3. 見えない気持ちを、見てくれる人に
私は直感的に、占い師「香月(かづき)先生」を選んだ。
恋愛成就に強いと口コミが多く、特に“片想い専門”という紹介文に惹かれた。
「本当に、こんなことで気持ちが楽になるの?」
半信半疑だったけれど、藁にもすがる思いだった。
通話がつながると、香月先生は優しく言った。
「あなたの想い、しっかりと伝わってきました。では、お相手の気持ちを視てみますね」
4. 占い師が教えてくれた、意外な真実
しばらく沈黙が続いたあと、香月先生が静かに語り始めた。
「彼、確かに今、ある女性と会っています。でも……恋愛感情はまだ芽生えていないようです」
「むしろ、あなたに対しては“特別な安心感”を感じていて、“いつでも話せる存在”として強く意識していました」
「でもその分、“壊したくない”という気持ちから、踏み出せずにいたのかもしれませんね」
私は、胸が詰まる思いだった。
私のこと、まったく何も思っていないわけじゃなかったんだ。
むしろ、私の方が“一歩踏み出せていなかった”のかもしれない。

5. 恋は終わってない——始まってすらいなかった
香月先生は、こう続けた。
「このご縁、まだ終わっていません。むしろ、あなたが行動を変えることで、物語が始まる可能性が高い」
「そしてもう一つ。近い未来、もう一人のご縁が現れる暗示も出ています」
「あなたが“自分らしくいられる場所”を選んだとき、愛は自然と流れ込んできますよ」
その言葉に、私は涙が溢れた。
失ったと思っていたものは、実は何も始まっていなかった。
そして、これから始めるかどうかは、私の選択次第なのだ。
6. 自分の想いに、初めて正直になれた夜
通話を終えたあと、私はスマホを握りしめたまま、しばらく窓の外を見ていた。
夜の街は静かで、でもどこか、心のざわめきが落ち着いていくような気がした。
その夜、私は初めて、自分の気持ちに正直になった。
「もう一度、ちゃんと向き合ってみたい」
そう思えるだけで、胸が温かくなった。
終わりに
片想いは、時に残酷で、切なくて、出口が見えないもの。
でも、誰かに想いを“視てもらう”ことで、初めて気づくことがある。
あの夜、占い師の言葉が私をそっと照らしてくれたように、
あなたの想いにも、やさしい光が差し込む瞬間がきっと来る。
あなたの恋は、終わってなんかいない。
まだ、はじまってすらいないだけ——。
