期待と違う現実
梨花は付き合って半年の彼、翔太にモヤモヤを感じていた。二人の関係は穏やかで居心地は悪くないが、デートの計画をいつも翔太に任せている自分に気づいた。
「次のデート、どこに行くの?」
そう聞いても、「適当に決めよう」「梨花が好きなところでいいよ」といつも曖昧な返事が返ってくるだけ。彼が積極的にプランを立ててくれないことで、梨花は「本気じゃないのかな?」と疑念が膨らんでいた。
自分だけが頑張っている気持ち
梨花は内心、「私ばかりが頑張っている」と感じていた。毎回、自分が候補を考えたり、予約をしたり。翔太は一緒に楽しんでいるように見えるが、デートをリードしようとする様子がなく、その温度差が不満となっていた。
ある日、友人に相談してみると、「それって本当に彼があなたのことをどう思っているか、ハッキリさせたほうがいいよ」とアドバイスされた。
迷いながらの電話占い
その晩、梨花は心がざわつき、電話占いに頼ることにした。占い師の女性は落ち着いた声で言った。
「翔太さんはあなたのことを大切に思っていますが、自己表現が苦手なタイプですね。プランを決めることにプレッシャーを感じているのかもしれません。あなたから積極的にリードしてもらうことを望んでいるようです」
梨花は驚いた。彼の本音を知ることで、モヤモヤの原因が少しクリアになった。
素直な気持ちを伝える
翌日、梨花は勇気を出して翔太に話した。
「いつもデートの計画は私ばかりだけど、翔太ももっと考えてくれたら嬉しいな」
翔太は照れくさそうに笑いながら答えた。
「実は、プランを決めるのが苦手でさ。梨花が喜んでくれることなら、何でもしたいと思ってる。でも、どうしていいか分からなくて…」
その言葉に梨花は心がほっとした。彼も自分と同じように悩んでいたのだ。
二人の歩幅で
それから二人は、デートプランを一緒に考えるようになった。時には梨花が提案し、時には翔太が少しずつリードする。
占い師の言葉通り、翔太は自己表現が苦手なだけで、梨花を大切に思う気持ちは確かだった。二人で話し合うことで、不安は少しずつ消えていった。
梨花は気づいた。
「大切なのは完璧なデートじゃなくて、二人が楽しめる時間を作ること」
そして、翔太もまた、
「梨花がいてくれるだけで十分」と心から思うようになった。
新しい一歩
これからも、二人は少しずつ歩幅を合わせながら、未来に向かって進んでいく。
デートプランだけでなく、二人の心も少しずつ近づいていくのだ。
