「もう既読はついてるのに、返事がこない」
時刻は23時を回っていた。
会社の同僚であり、不倫関係にある陽介にLINEを送ったのは、夜の20時。
何気ない「お疲れさま、今日もお仕事大変だったね」という一文に、返事はない。けれど、“既読”はしっかりとついていた。
39歳の咲(さき)は、スマホを見つめながら、また今夜も眠れずにいる。
——忙しいだけかもしれない。でも、もしかして嫌われた?
——奥さんと一緒にいるのかな?もう飽きられたのかな?
不安は深夜になるほど膨らんでいく。
「こっちが勝手に“特別”だと思ってただけかも」
2年前、職場の飲み会で意気投合した陽介。
彼が既婚者だと知ったのは、ずっと後のことだった。
「気持ちは咲だけに向いてる」
「いつかはこの関係をちゃんとしたいと思ってる」
そんな言葉を信じて、体を重ねてきた。
でも、彼が本気かどうかは、こういう“スルー”のときに痛いほどわかる。
本当に私を大切に思っているなら、既読スルーなんてしない。
言い訳の余地はあるけれど、気持ちはもうわかっている。
それでも「別れよう」とは言えなかった。
咲はその夜、人生で初めて“電話占い”の扉を開いた。
占い師・環(たまき)先生の問いかけ
「こんばんは、咲さん。今日は陽介さんのことでお悩みですね。」
電話越しの声は、静かで穏やか。
その優しさに、咲は思わず泣きそうになった。
先生は霊感とカードを使って、咲の状況を読み取っていく。
「彼は今、咲さんの存在を“癒し”として求めています。
でも、残念ながら“人生を変える覚悟”までは持っていません。」
——やっぱり、そうか。
「でもね、咲さん。問題は彼の気持ちじゃないんです。
咲さんが“なぜそこまで彼に執着してしまうのか”を知ることの方が大事ですよ。」

なぜ“既読スルー”が、こんなにも苦しいのか?
環先生はこう言った。
「咲さんは、“自分が選ばれる価値があるかどうか”を、彼の返信で測ってしまっているんです。」
その言葉に、咲はハッとした。
「既読がついているのに返事がこない」と思うたび、
まるで“自分の存在が軽んじられている”ような気持ちになる。
「あなたは誰かに選ばれないと、愛されていると感じられない。でも、本当の愛って、“選ばれること”じゃないんです。」
咲の中の「承認欲求」が、彼への執着を強めていた。
「愛されたい」より「自分を愛したい」
「不倫はね、相手の“行動”より、自分の“期待”とのギャップが苦しいんです。」
環先生は、咲に問いかけた。
「彼からの返信が3日来なかったら、咲さんはどうしますか?」
咲は、しばらく黙って考えた。
「……たぶん、また追いLINEしてしまうと思います。」
「それって、“自分の安心”を彼に委ねている証拠です。
でも、安心は“誰かからもらうもの”じゃなく、自分の中に作るものなんです。」
「返信がこない=価値がない」は、幻想
環先生のアドバイスは、どれも耳に痛かった。
でも、その夜、咲はひとつの決断をした。
「彼からのLINEの返信がなくても、私は“私”を大切にする」
その日から、咲はスマホを見る頻度を減らした。
夜にスマホを遠ざけるだけで、思考が穏やかになることに驚いた。
返事がなくても、自分の価値は減らない。
彼の都合に合わせる恋は、もう終わりにしよう。
——そう心に決めた。
自分を追い込む恋から、卒業する
それから数日後、陽介から「ごめん、忙しかった」と連絡が来た。
でも、咲の気持ちはもう前と違っていた。
「そっか、大変だったね。体壊さないようにしてね」
たった一言だけ返し、スマホを置いた。
その返事に対して、再び陽介から既読スルー。
でも、咲はもう、泣かなかった。
むしろ、心が晴れていることに驚いた。
“待つ恋”より、“育てる恋”を選ぼう
「彼が返事をくれたら安心できる」
「スルーされると、自分の価値がなくなる気がする」
そんな不安でいっぱいの恋は、あなた自身の心を削っていきます。
- 「好きだから苦しい」は、本当の愛ではありません
- 「追いかける恋」は、いつか自分の尊厳を失います
- 「返信がこない=私のせい」と思う癖を手放しましょう
そしてもし、どうしても心が揺れるなら——
あなたの思考を整理し、心の声を聞いてくれる占い師の力を借りてください。
言葉を通して、“自分の幸せを選ぶ勇気”をくれる人が、きっと見つかります。
