「奥さんとは冷え切ってるって言ったのに…」
38歳、真奈美は会社の取引先に勤める一人の男性・直樹と関係を持つようになって、もうすぐ1年が経とうとしていた。
彼は既婚者だった。
「結婚生活は終わってるようなもんでさ」
「子どもが巣立ったら、ちゃんと考えるつもり」
そんな言葉を信じて、真奈美は逢瀬を重ねてきた。
でも、1年経っても何も変わらなかった。
誕生日もクリスマスも、ひとりで過ごすことに慣れてしまった自分が、ふと悲しくなる。
——私は何を待っているんだろう?
「愛されてる」実感が、どこにもない
連絡が取れるのは、彼の仕事終わりの1時間や、出張と称するタイミングだけ。
それでも最初は、会えるだけで嬉しかった。
でも、時間が経つにつれ、彼の都合でしか動けない自分が、虚しくなっていく。
「本気じゃないって、わかってるのに。」
誰にも相談できず、自己嫌悪ばかりが募っていく日々。
そんなとき、真奈美は友人から“電話占い”という言葉を聞いた。
「カウンセリングよりも、もっと気軽に話せるし、自分の心の整理にもなるよ」
心のどこかで「占いなんて」と思っていたけれど、その夜、思い切ってスマホの画面を開いた。
占い師・紗月先生の言葉
「こんばんは。真奈美さん、今日は恋愛のご相談ですね。」
柔らかく優しい声だった。
真奈美は、戸惑いながらも今の関係をすべて打ち明けた。
占い師・紗月先生は、カードを展開しながらこう語りはじめた。
「彼は、真奈美さんを“癒しの存在”だと感じています。
でも、それは“生活を壊してでも手に入れたい存在”ではありません。」
その言葉に、胸がぎゅっと苦しくなった。
「……やっぱり、そうですよね。」
紗月先生は続ける。
「でもね、彼が悪いのではなく、悪いのは“期待させる距離感”なんです。
本気でもないのに、希望を持たせる。それは、相手への優しさじゃない。むしろ残酷なんです。」

「未来」を約束しない人を、信じない
「離婚する」と言いながら、具体的な話を一切しない彼。
「会いたい」と言えば、“仕事が忙しい”とかわされる。
「その恋はね、真奈美さんの中にある“寂しさ”と、“自己価値の低さ”を埋めるための恋になってしまってる。」
——その言葉に、真奈美は静かに涙を流した。
「私、恋愛で自分を守る方法がわからないんです。」
すると紗月先生は、こう答えた。
「自分を守るとは、“相手がどう思っているか”よりも、“自分がどうしたいか”に正直になることです。」
本気じゃない人を、愛し続けるリスク
「“奪われない未来”を待ち続ける時間って、自分の可能性をどんどん奪っていきます。」
その言葉が、真奈美の胸に突き刺さった。
たしかに、彼に執着するあまり、新しい出会いを避けていた。
「どうせ誰とも続かない」と思い込み、自分で可能性の扉を閉じていた。
紗月先生は最後に、こう締めくくった。
「真奈美さんは、本当は“深く愛したい人”なんです。
だからこそ、“深く愛される場所”に身を置いてください。
その場所は、彼の隣ではありません。」
新しい風を受け入れるために
電話を切ったあと、真奈美は涙が止まらなかった。
けれど、同時に不思議なほど、心が軽くなっていた。
数日後、真奈美は彼にこう伝えた。
「もう、この関係は終わりにしたい。」
彼は驚いたような顔をしたが、「わかった」と一言だけ言った。
それがすべてだった。
あなたの心を守れるのは、あなただけ
「本気じゃない既婚者」に振り回されないためには、“言葉”より“行動”を信じること。
そして何よりも、“自分の心をすり減らしてまで恋をしない”ことが大切です。
- 愛されていないと感じる恋に、心をすり減らしていませんか?
- 彼の言葉だけを信じて、現実から目を逸らしていませんか?
- その関係があなたの未来に光を与えてくれるか、自分自身に問いかけてみてください。
そしてもし、「もう限界」「でも踏み出せない」と思ったら、
占い師という第三者の視点から、自分の心の声を聞いてみてください。
きっと、あなたの中の“本当の気持ち”が見えてきます。
