すれ違いの始まり
美咲は彼氏の健太と付き合って3年になる。結婚の話もちらほら出て、周囲からは「そろそろ結婚も考えたら？」と言われることも増えた。しかし、彼女の胸には漠然とした不安があった。
「健太は本当に私と結婚したいのだろうか？」
健太は穏やかで優しい人だったが、いつも言葉少なで感情をあまり表に出さなかった。美咲が結婚の話をすると、話題を変えたり、軽く受け流したりすることもあった。
伝わらない気持ち
ある日、美咲は友人の結婚式に出席し、幸せそうなカップルを見て胸が締めつけられた。
「私たちは…このままでいいの？」
彼女は健太に素直に聞けず、モヤモヤした気持ちを抱えたまま過ごしていた。
ある晩の電話占い
悩みが深くなる中、美咲はふと電話占いの広告を見つけ、思い切って相談することにした。
電話の向こうの占い師は、穏やかな声でこう伝えた。
「健太さんは心の奥にいくつかの不安を抱えているようです。彼自身も未来に対して迷いがあるのでしょう。あなたが彼の心を理解し、焦らずに寄り添うことが大切です」
美咲はその言葉に胸が熱くなった。自分だけが不安を感じているわけではなく、彼にも葛藤があるのだと知ったからだ。
彼との対話
翌日、美咲は勇気を出して健太に話を切り出した。
「結婚のこと、どう思ってる？本音を聞かせてほしい」
健太は一瞬黙り込んだが、やがてゆっくりと語り始めた。
「正直、怖いんだ。責任とか、生活が変わることとか。美咲が幸せなら、それが一番だと思うけど、俺はまだ自信がない」
その言葉に美咲はホッとした。彼も同じように悩んでいたのだ。
少しずつ見える未来
それから二人は少しずつ本音を話すようになり、結婚についても焦らず話し合う時間を持つようになった。
占い師のアドバイスがあったからこそ、彼の本音を受け入れられた美咲。彼との絆は以前よりも強くなった。
「未来は二人で作るもの。焦らず、自分たちのペースで進もう」
そう決めた彼女の心は穏やかで、これからの道に少しだけ光が差したのだった。
